Mark Stewart『The Fateful Symmetry』CD
先駆的で、今もなお多大な影響を与え続けるアーティスト、マーク・スチュワートが、2023年4月に急逝する直前に完成させた渾身のソロ第8作目となるアルバム『The Fateful Symmetry』を発表。The Pop GroupやMark Stewart & Maffia、そしてソロ名義での革新的なキャリアの集大成といえる最重要作品!
「(好き嫌いの)好みというのは、一種の、自身による検閲行為だ」――マーク・スチュワート
『The Fateful Symmetry』によって、ガーディアン紙が“敬愛されるカウンターカルチャーのミュージシャン”と評したスチュワートの遺産はさらに確かなものとなった。本作は、彼の代表作と並ぶほど大胆かつ先見的な作品である。
先行シングルでありアルバムのオープニングを飾る「Memory of You」は、Youth(Killing Joke)との共同プロデュースにより制作され、ホリー・クックのバッキングボーカルもフィーチャーされている。推進力に満ちたポスト・ディスコのトーチソングであり、欲望に満ちたボーカルとスタイリッシュで威圧感あるシンセサウンドによって構成されたネオ・ノワールな楽曲で、スチュワートの最も劇的かつ心を打つパフォーマンスのひとつとなっている。
スチュワートの多くの作品と同様に、この曲も常識や期待を覆すものである。
「ラブソングをトロイの木馬のように使う方法がある。毒に砂糖をまぶして、人々の心に侵入するんだ。一見すると“もし愛していたなら”という内容だけど、実はより良い世界への憧れと夢を歌っている。僕にとって“愛”は政治的な行為なんだ。」 Youth はこう語る:
「『Memory of You』は、マークが素晴らしいシンガーであるだけでなく、優れたソングライターであったことを示している... メロディと歌詞は、ウォーカー・ブラザーズや1950年代のクローナー、たとえばフランク・シナトラのような時代を超えた魅力があるのに、それでいて最先端なんだ。」
この楽曲のショートフィルムは、映像作家ピーター・ハリスとヒューゴ・グレンディニングによって制作された。ハリスは2020年にマーク・スチュワートと出会い、Radio Alharaで「BOMBART」という番組を共同で開始し、以後、複数のアートワークと音楽でのコラボレーションを行った。彼はまた、リー“スクラッチ”ペリーとのアート・コラボレーションでも知られている。
スチュワートの尽きることのない創造力を証明し、彼の最も内面的で力強いメッセージのひとつを示す本作『The Fateful Symmetry』は、驚異的な表現力と革新性に満ちた作品である。より良い世界への、激しくも美しいマニフェストなのだ。
唯一無二で圧倒的な存在だったマーク・スチュワート。常に“普通”であることを拒み、常に特別だった。
『The Fateful Symmetry』は、長年のパートナーであるレーベルMuteから、彼の友人であり魂の同志ダニエル・ミラーの手によって、2025年7月11日にリリースされる。
「マーク・スチュワートは俺のヒーローだ」――ダディ・G(マッシヴ・アタック)
「恐るべきボーカリストであり、信じられないほど刺激的なフロントマン。彼には深く恩義を感じている」――ニック・ケイヴ
「マークの影響がなければ、ブリストルの芸術や政治はまったく違ったものになっていただろう」 ――ジェフ・バーロウ(ポーティスヘッド)
■Track list
- 1. Memory Of You (先行シングル)
- 2. Neon Girl
- 3. This Is The Rain
- 4. Everybody’s Got To Learn Sometime (Bebe Durmiendo Cumbia Bootleg)
- 5. Stable Song
- 6. Twilight’s Child
- 7.Crypto Religion
- 8. Blank Town
- 9. A Long Road
- 10. Memory Of You (Alternate mix) 日本盤のみのボーナストラック