ケンドラ・モリス『アイ・アム・ホワット・アイム・ウェイティング・フォー』CD
時代錯誤なケンドラ・モリスによる、時代錯誤で永遠にクールなニュー・アルバム『アイ・アム・ホワット・アイム・ウェイティング・フォー』! 粗削りでパワフルなヴォーカルと、豊富なレコード・コレクションと愉快なノイズに対する気まぐれな直感を裏切るアレンジメントが組み合わさった、活気に満ち、多彩で個性が詰まった傑作!
■ポスト・エイミー・ワインハウス的な見方や、現代のジャニス・ジョプリンという形容をされてきた、フロリダ出身、ニューヨーク在住のシンガー・ソングライター、ケンドラ・モリス。彼女が、前作『Nine Lives』につづき、現行ソウル/ファンク最注目レーベル、コールマイン傘下のカーマ・チーフからリリースするニュー・アルバム。
■トービット・シュウォーツakaリトル・シャリマー(ラン・ザ・ジュウェルズ)との共同プロデュースで、ロニー・スペクターの生意気さと気品、ガレージ・サイケ・コンピ『ナゲッツ』のアシッド感覚、20世紀半ばのエキゾチカのポスト・モダンな改変、ESGのひび割れたスネアと甘ったるい都会性など、ロックンロールのあらゆる要素を茶目っ気たっぷりに組み替えながら、創造性の追求に費やした人生から得た傷つきやすい洞察の瞬間を適切に提供している。
■ベルが鳴り響く「Dominoes」では、家庭生活や共同生活というありふれた葛藤をロネッツらしいときの声と対立させ、エキゾチカ風の「All Your Jokes」では、モリスが言うところの「失うものがあるときの関係における脆弱さの必要性」を検証している。バースデー・ソングの規範を広げようという勇敢な試みとなる、スモーキーでドゥーワップ調の「Birthday Song」もある。ほとんどタイトル曲のような「WhatAre You Waiting For」は、このアルバムの精神を凝縮している。ギターの刻みが、サイレンとボンゴのブレイクダウンに変わり、モリスは現実と自立を訴える。『アイ・アム・ホワット・アイム・ウェイティング・フォー』は、小さなディテールを大胆に活かしている。これは、セルフ・ポートレイトを兼ねた稀有なレコードであり、ありのままでありながら、その不完全さゆえにスリリングなのだ。
■Track list
- 1.When I Go To Space
- 2.Anywhere
- 3.What Are You Waiting For /4.Dominoes
- 5.The Door
- 6.All Your Jokes
- 7.Special
- 8.Still Spinning
- 9.Nightsnake
- 10.Birthday Song
- 11.One Last Joyride