SAHO TERAO『For the Innocent』CD
当代きってのシンガー・ソングライター、寺尾紗穂、通算第8作となるオリジナル・アルバムが完成。聴く者をやさしく包み込む計り知れない温もりと、背筋を正される凛とした佇まいが同居した唯一無二の世界。途方もない説得力と訴求力を内包した歌、言葉、音によって紡がれるその世界に、最初の一音、一声から引き込まれる最高傑作が誕生。
■つい先日まで放映されていたNTTドコモのテレビCMの音楽でだれもがその歌声を毎日のように耳にしていたはず。2006年のデビュー 以来、多くの音楽ファンから熱烈な支持を集めてきたシンガー・ソングライター、寺尾紗穂。その最高傑作との呼び声も高い前作『楕円の夢』(2015年)、 日本各地に伝わるわらべうたや子守唄を取り上げた『わたしの好きなわらべうた』(2016年)につづく通算第8作となるオリジナル・アルバム『たよりない もののために』。自身のピアノ弾き語りと、もはやおなじみの伊賀航(b)とあだち麗三郎(ds)の緩急自在のリズム・セクションとの楽曲を基盤に、多彩なゲストを迎えて制作された全10曲を収録。
■なによりもまず、寺尾紗穂自身の歌である。ときに慈愛のにじむ、ときに世界と人間に対する鋭い視線をともなった、圧倒的な浸透力を持つ歌声。ピアノのみでの弾き語りから、バンドでの演奏をベースにエレクトロニックなアレンジを施した楽曲まで、ゲスト・ ミュージシャンによる味付けも魅力的な、ヴァラエティ豊かな音が、寺尾の歌を、静かに、そして華やかに彩った。さまざまな感情を喚起するリリックもじつに感慨深い。前作『楕円の夢』に比肩する最高傑作と断言したい。 ■アルバム・タイトル曲「たよりないもののために」のミュージック・ビデオの制作、およびジャケット写真の撮影を手がけるのは写真家・大森克己。
■寺尾は文筆家の顔も持ち、近著『南洋と私』(リトルモア)、『原発労働者』(講談社現代新書)に加え、8月に集英社より『あのころのパラオをさがして』を刊行予定。
参加ミュージシャン(登場順):伊賀 航、あだち麗三郎、Linn Mori、蓮沼執太、ゴンドウトモヒコ、千葉広樹、池田若菜、橋本 歩、柴田聡子、マヒトゥ・ザ・ピーポー、吉野友加、松井一平
■Track list
- 1. 幼い二人
- 2. 雲は夏
- 3. 新秋名果
- 4. 孤独な惑星
- 5. クストフ
- 6. 柿の歌
- 7. 紅い海
- 8. 私の怪物
- 9. 九年
- 10. たよりないもののために