ウェイクフィールド『ザ・ロスト・ウォートホグ・テープス』CD
★初回限定生産
★紙ジャケット仕様
コロラド州の山々を揺るがすアシッドな一撃! 1970年代初頭という激変の時代の産物であるアメリカン・サイケデリック・ハードの“幻”の逸品、ウェイクフィールド『ザ・ロスト・ウォートホグ・テープス』が最新CDリイシュー!!
コロラド州プエブロで1969年に結成。ヒッピー・ムーヴメント末期ならではのジャム志向のハード・ロックバンド、ウェイクフィールドは地元のシーンで支持を得て、初期フリートウッド・マック(ピーター・グリーン在籍)のオープニング・アクトやチャック・ベリーのバックを務めるなどした。同州のデンヴァーやボルダーなどの都市部やワシントン州シアトルなどへの遠征を経て1970~71年、デンヴァーの低予算スタジオ“ウォートホグ・スタジオ”でレコーディング・セッションを行い、その音源は長年聴かれることなく眠ってきたが、2002年になってコロラドの再発レーベル“ギア・ファブ・レコーズ”が発掘することとなる。
ハードなリフとエッジの効いたリード・ギターで攻め立てるサイケ・ロック・サウンドを起点としながら、未知の領域へと解き放たれていく本作『ザ・ロスト・ウォートホグ・テープス』。オープニングの「ブリング・イット・オン」(M1)からホーン・セクションをフィーチュア、コンガを交えたサウンドが鋭利なギターと煽りあい、さらにトランペットやフレンチ・ホルン、フルートなどもが加わって、1960年代サイケデリアの残滓を感じさせながら新時代の混沌へと歩を進めていく。8分以上の長尺ナンバーも彼らの表現をさらに豊かにするものだ。フルートのイントロから水のごとく流れていく「ウォーター」(M7)、トランペットが曲を導いていく「スノーチャルド」(M8)、人生そのものを11分に凝縮した「オールド・マン」(M5)などの起伏に富んだナンバーは、孤独や博愛を描いたディープな歌詞を踏まえて、コンセプト・アルバムと解釈するリスナーがいるのも納得だ。ただ、シリアス一辺倒でなく、ユーモアを感じさせるのも彼らの懐の深さだ。「レッツ・ゲット・ローデッド」(M12)はあからさまなドラッグ・ソングだが、カウンターカルチャーの後ろ暗さは感じさせず、トランペットやハンドクラップ、カントリータイプのギターソロに乗せて「ハイになろうぜ!」と歌う。「ローリン・ダウン・ザ・ハイウェイ」(M14)もブルースのパスティッシュに近いライトなノリだ。そんな明暗を兼ね備えた作風もトータル性を伴っている。バンドは1974年に解散、ギタリストのボビー・バースはブラックフットに加入するなど表舞台でも知られるようになったが、ウェイクフィールドの名前はロックの歴史から忘れられつつあった。だが今、止まっていた時計の針が動き出すときが来たのだ。
■Track list
- 1.Bring It On
- 2. Something Is Coming
- 3. How Does It Feel?
- 4. I Will Always Come Back
- 5. Old Man
- 6. I Know
- 7. Water
- 8. Snowchild
- 9. In My Mind
- 10. Landgrabber
- 11. You And I
- 12. Let’s Get Loaded
- 13. You’ll Find Your Man
- 14. Rollin’ Down The Highway