植物よりも動物に近く、どちらともまったく異なる存在である「キノコ」。
本書は、共編者のオリン・グレイとシルヴィア・モレーノ=ガルシアが、
日本の怪奇映画『マタンゴ』の話題で意気投合し、不思議な菌類の小説を集めたアンソロジーだ。
目のくらむような、キノコの物語の森へようこそ。
■FUNGIとは……
菌類、菌類界の意。
広義ではバクテリヤ類、(Schizomycetes)をも含むが、
狭義では粘菌・カビ類・酵母菌類・キノコ類など真菌類(true fungi)をいう。
「新英和大辞典 第六版」(研究社)より
■序文より
菌界の仲間は、植物よりは動物に近いが、
それでいてどちらとも根本的に異なる別種の神秘的なしろものである。
編者は、ボディ・ホラーやウィリアム・ホープ・ホジスン流きのこ人間を越えて、
菌類小説の潜在的可能性を広く探究する作品を求めた。
作家たちは、彼らの胞子を遠く、かつ広範囲に放出してくれた。
読者はあらゆるたぐいのキノコが、多様な役割を演じ、
ホラーからダーク・ファンタジーにいたる全領域にわたるあらゆる種類の物語を味わうであろう。
FUNGI-菌類小説選集 第Iコロニー
オリン・グレイ & シルヴィア・モレーノ=ガルシア(編) 野村芳夫(訳) 飯沢耕太郎(解説)
発売日:2017/3/30
価格: 1,600円+税
ISBN:978-4-907276-77-5
http://www.ele-king.net/books/005634/