1999年にリリースした『Eureka(ユリイカ)』は先鋭化と細分化きわまった90 年代音楽の粋を集めた作品であっただけでなく、その実験とポップの相克のなかにつづく2000~2010年代のヒントを散りばめた、まさに世紀を劃す大傑作だった。
このアルバムでジム・オルークはシーンの中央に躍り出た。
多面的なソロワーク、秀逸なプロデュースワークに他バンドへの参加、映画音楽にゆるがない実験性を披露した電子音楽の傑作群、さらに2006年来日して以降の石橋英子や前野健太とのコラボレーション?以降の活躍はだれもが知るとおりだ。
そして2014年5月、ジム・オルークは個人名義の「歌ものアルバム」を発表する。
そこには『ユリイカ』以後の年月に磨かれた何かが凝縮しているにちがいない。
それについて訊きたいことは山ほどある、というより、このアルバムを聴き尽くすこと、ジム・オルークを多面的に知ることは音楽の現在地を知ることにほからない、のみならず、おしきせの90年代回顧を覆す問題意識さえあきらかになるはずだ。
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