DarWin『Distorted Mirror』CD
ロック進化論はさらに続いていく。プログレッシヴ&メロディックを極めて、スーパー・ヘヴィ・テクニカル・プロジェクトDarWinの新章が始まる!
2018年、ソングライターでギタリストのDWが始動させたこのプロジェクトに世界の実力派ミュージシャン達が共鳴。サイモン・フィリップス(ドラムス/ジェフ・ベック、マイケル・シェンカー、TOTOらと共演)、モヒニ・デイ(ベース/B’z、ウィロー・スミスらと共演)、グレッグ・ハウ(ギター/マイケル・ジャクソンらと共演)、デレク・シェリニアン(キーボード/ドリーム・シアターらと共演)、マット・ビソネット(ヴォーカル)が集結している。事実上“バンド”として機能してきた彼らの5作目となるアルバムが『Distorted Mirror』である。
先行リーダー・トラック「Man vs Machine」や「33rd Century Man」などに代表される、ヘヴィ・メタリックなサウンドとSF的世界観が生み出すハイパー・テクニカル・プログレッシヴ・フュージョン・アルバム。一瞬たりとも注意を逸らすことが赦されない、超絶プレイをフィーチュアしたスリリングな展開が聴く者のイマジネーションを無限に広げていく。ただテクニックに浮き足立つことなく、大地を揺るがすリズム・セクションのグルーヴとビートもまた重低音が身体を揺さぶる。歌えるメロディとフックを兼ね備えたソングライティングのエモーションがさらに強化され、全編を貫いているのも本作の特徴だ。叙情と鮮烈なフレージングが新世界への扉を開く「Rising Distortion」からポップですらある「Cry A River」、21世紀におけるフュージョンの進化形といえる7分半の「Winter Fare」まで、一篇の叙事詩のように聴く者を翻弄する。
アートワークも前作『First Steps On The Sun』(2024)の次なるステップを示唆するフューチャリスティックなものであり、DarWinという存在そのものがひとつの壮大なコンセプトであり、創造性に満ちた旅路であることを物語っている。前作に続いてスイスのマウル“パワープレイ・スタジオ”でレコーディング。プロデュースはDWとサイモン・フィリップスが手がけ、自らのヴィジョンを具現化させている本作。「Man vs Machine」は2025年6月にYouTubeで公開されるや、最初の2週間で45万回の再生を記録。新作への注目度がただならぬことを証明した。マット・ビソネットとアンドリュー・フリーマン(リンチ・モブ~ラスト・イン・ライン)のヴォーカル共演が実現した第2弾リーダー・トラック「Loophole」も好調だが、アルバム全体を通して聴くことで、“Distorted Mirror=歪んだ鏡”を通した新世界の全貌が見えてくるだろう。
■Track list
- 1.Rising Distortion
- 2.Distorted Mirror
- 3.Man vs. Machine
- 4.33rd Century Man
- 5.Cry A River
- 6.Glow
- 7.Loophole
- 8.Winter Fare