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『K-PUNK 夢想のメソッド──本・映画・ドラマ』マーク・フィッシャー(著)

¥2,980

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『K-PUNK 夢想のメソッド──本・映画・ドラマ』マーク・フィッシャー(著)ダレン・アンブローズ(編)サイモン・レイノルズ(序文)坂本麻里子+髙橋勇人(訳)

本体価格:2,980+税
発売日:2023/9/26
ISBN:978-4-910511-57-3

マーク・フィッシャー評論選集
文学/映画/ドラマ編

 私たちの生をむしばむ、政治的、心理的、対外的、対内的な抑圧に立ち向かい、聡明で、常に燃え続け、獰猛な激しさをもって今日における「失われた未来」を調査し、知性を磨く努力を怠らなかった思想家、マーク・フィッシャー。21世紀でもっとも重要な政治的テクストであり、すべての人にとっての必読書『資本主義リアリズム』を上梓し、1979年以降の資本主義が独自の「リアリズム」様式を押しつけ、それが左派リベラルにおいても内面化されていることを暴きながらも、社会主義という、いまとなっては「リアリズム」を喪失した大義を捨てずに思考し続けた批評家。スラヴォイ・ジジェク、ラッセル・ブランド、オーウェン・ジョーンズらが絶賛し、マーク・スチュアートベリアルをはじめ多くのミュージシャンに刺激を与えた思想家。
 ポスト左翼がブレグジットに直面した際に、旧来の左翼の惰性を非難し「右傾化」することが「大人」だとされたときも、マーク・フィッシャーはその惰性をどうしたら脱却できるのかと向き合い、安易な「右傾化」に同調することもなかった。
 アカデミックになることなく、つねにポピュラー・ミュージックや映画、大衆文学を出発点としながら大衆迎合主義に陥ることも回避しつづけてきた知性の、彼の人気を決定づけた原点にしてすべて──それが彼の伝説のブログ『K-PUNK』だった。
 その『K-PUNK』から精選されたコレクションが全三冊に分けられ、ついに翻訳刊行される。まずはその第一弾は「文学/映画/ドラマ編」。序文はサイモン・レイノルズ。
 幸いなことに、こうして私たちは彼の文章に立ち返ることができるし、その文章のなかには、情熱的で、たとえどんなに悲観的になろうとも、未来を諦めてはいないマーク・フィッシャーがつねにいるのだ。

本書に登場する作家や作品など:
カフカ、W・S・バロウズ、J・G・バラード、スティーヴン・キング、マーガレット・アトウッド、パトリシア・ハイスミス、デイヴィッド・ピース、トニ・モリスン、カズオ・イシグロ、リチャード・マシスン、クリストファー・ノーラン、デヴィッド・クローネンバーグ、『スター・ウォーズ』、『シャイニング』、『ブレイキング・バッド』、『トイ・ストーリー』、『ウォーリー』、『バットマン』、『ターミネーター』、『アバター』、『ハンガー・ゲーム』、ブライアン・フェリー、ジョイ・ディヴィジョン、ほか多数

 

マーク・フィッシャーの『K-PUNK』ブログは一世代の必読書だった。──『ガーディアン』

誰にとっても理にかなった新しい世界を発明するための不可欠なガイドブックである。──ホリー・ハーンドン(電子音楽家)

フィッシャーは、この時代のもっとも信頼できるナヴィゲーターである。──デイヴィッド・ピース

今世紀、これほど興味深い英国人作家は現れていない。──『アイリッシュ・タイムズ』

21世紀の文化批評の書き方の入門書。──『LA レビュー・オブ・ブックス』

当代の文化は、公衆的なるものの概念および知識人の姿、その双方を排除してしまった。かつて──物理的/文化的の両面で──公共の場だったものは、いまや遺棄されたか、広告の植民地と化している。阿呆な反知性主義が支配し、それに声援を送る多国籍企業に雇われた私立高学歴の売文家は、退屈した読者に対し、あなたがたはわざわざ相互受動的な朦朧状態から目覚める必要はありません、と安心させる。後期資本主義の文化労働者によって内面化され、広められた非公式の検閲は、スターリン主義のプロパガンダ長官すら人々に強制できたらどんなに素晴らしいだろうと夢見るほかない、陳腐な順応主義を生み出す。(本書より)

 

序文 (サイモン・レイノルズ)
編者からのはしがき (ダレン・アンブローズ)
なぜKか?

第一部
夢を見るためのメソッド:本

本のミーム
空間、時間、光、必要なもののすべて──『J・G・バラード特集』(BBC4)についての考察
私はなぜロナルド・レーガンをファックしたいのか
移動遊園地の色鮮やかなスウィング・ボート
退屈の政治学とは?(バラードのリミックス2003)
あなたのファンタジーになりたい
ファンタジーの道具一式:スティーヴン・マイゼルの「非常事態」
J・G・バラードの暗殺
不安と恐怖の世界
リプリーのグラム
夢を見るためのメソッド
アトウッドの反資本主義
トイ・ストーリーズ:あやつり人形、人形、ホラー・ストーリー
ゼロ・ブックスの声明

第二部
スクリーン、夢、幽霊:映画とテレビ

ひとさじの砂糖
あの人は僕の母さんじゃない
ナイジェル・バートン、起立しなさい
ポートメイリオン:理想の生き方
ゴルゴタの丘の唯物主義
この映画じゃ僕は感動しない
第三帝国ロックンロールの恐怖とみじめさ
我々はすべて欲しい
ゴシックなオイディプス王:クリストファー・ノーランの『バットマン ビギンズ』における主体性と資本主義
夢を見るとき、我々は自分たちをジョーイだと夢見るのか?
クローネンバーグの『イグジステンズ』の覚書
撮影したから自分で思い出す必要はない
マルケルの幽霊と第三の道のリアリティ
反アイデンティティ政治
「あなたは昔からずっとここの管理人です」:オーバールック・ホテルの幽霊的空間
カフェ・チェーンと捕虜収容所
理由なき反抗
廃墟のなかの歴史家ロボット
『マイク・タイソン THE MOVIE』評
「彼らは彼らの母親を殺した」:イデオロギーの症状としての『アバター』
雇用不安と父権温情主義
贈り物を返品すること:リチャード・ケリーの『運命のボタン』
社会への貢献
「とにかく気楽に構えてエンジョイしましょう」:BBCに登場した被投性
『スター・ウォーズ』は最初から魂を売り飛ばしていた
ジリアン・ウェアリングの『Self Made』評
バットマンの政治的な右派転向
敵は誰かを思い出せ
善悪の彼岸:『ブレイキング・バッド』
階級の消えたテレビ放送:『Benefits Street』
味方してしまう敵:『ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ』
手放す方法:『LEFTOVERS/残された世界』、『ブロードチャーチ 〜殺意の町〜』、『ザ・ミッシング 〜消えた少年〜』
英国風刺の奇妙な死
『ターミネーター:新起動/ジェニシス』評
名声が建てた家:『セレブリティ・ビッグ・ブラザー』
アンドロイドを憐れんで:『ウエストワールド』のねじれた道徳観

索引

 

https://www.ele-king.net/books/009508/


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